Apex考察【シーズン6スプリット1の環境を振り返る】

ランパートを新レジェンドとして迎えたApex Legendsのシーズン6も、早いものでスプリット1を終え、スプリット2がスタートします(執筆時点)。
皆さんは現在の環境についてどのような感想を持っていますか?壊れてますか?それとも良いバランス?

今回は、アーマーの変更など大きくプレイ環境が変動した過去1ヶ月半から、全体の傾向やレジェンドの優劣、ランク環境について考えていこうと思います。
※筆者は野良ランクで苦しみつつも、フレンドさんの力を借りてマスターに到達できました。今季のランクの経験等も加味して述べていきます。

ゲームシステムの根本を揺るがすアーマー耐久値の変更

シーズン6の開幕当初は、それまでの仕様から大きく変更され、進化シールドのみが出現するようになりました。
アーマーの耐久値が下方修正されたことと、新武器のボルトも含めた武器が軒並み強化されたことで、従来のApexのプレイ感覚とは異なるものへと姿を変えていきます。※当時変更された内容についての考察は→こちら←。

アーマー弱体化後の世界

簡潔に言うと、こんなことが起こりました。

  • 互いの体力が少ないため、簡単にダウンをしやすくなった。
  • 体力に対して武器が強力なため、どんなレベルのプレイヤーも相手を打ち負かす可能性が高まった。言い換えれば、武器やタイミングの運要素が強まった。瞬間火力の高さを競うイメージ。
  • 移動や退避をするのが難しく、1つの戦闘は一瞬で決着しやすくなった。個々人の粘りが困難になり、漁夫へ対応する難易度が上昇。
  • 個人の平均ダメージが減少傾向に。

そしてこの変化に伴うプレイヤーの反応はこちら

  • 肯定的な意見
    「スピーディな戦闘が他のFPSに近くなった印象で好き」
    「漁夫る暇もなく終戦できるから快適」
    「エイム勝負が楽しい」
    「一瞬で仕留める爽快感」
  • 否定的な意見
    「逃げスキルのないキャラが即死して辛い」
    「マスティフやトリプルテイクの運要素が強くて萎える」
    「アーマーが柔らかいから劣勢からの巻き返しや、漁夫の対応が無理ゲー」
    「ダメージが伸びないからテンション下がる」

その後、アーマーの耐久値を元に戻すことを多くのユーザーが訴えたことで、運営サイドはその声を聞き入れ、素早い対応を行いました。私も下記のとおりTwitterにて運営サイドの主張を簡単にまとめています。

↑Apex Legends公式サイトのアーマー仕様変更についての発表を、簡単に翻訳しています↑

運営サイドの主張と修正の流れを、さらに分かりやすく表記してみましょう。(Apex公式サイト「シーズン6進化シールドのアップデート」をもとに構成)

運営「シーズン1〜シーズン5まで取り組んできたこと、達成できたことはこんなことだよ!」

先手を取り、先に仕掛けた方が有利になるゲームにしたい
戦略的な安地のポジション取りや、マップ(地形)の把握が重要になるようにしたい
・レジェンドのスキル性能差などで、プレイヤーがどうしようもなく負けるシーンは減らしたい

運営「でも、進化シールドのみ出現する仕様の内部テストの結果、こんなことが発生したんだよね…。」

・進化の赤アーマーを想定以上に多くの人が使用したことで、不利なポジションからでも(固さを活かして)強引に有利ポジションを奪取するシーンが増えた
・体力があればあるほど、上手いプレイヤーが安定して勝ち続けることになる(エイムや立ち回りの差が如実に出る)

運営「だから赤アーマーは強すぎると判断して、進化シールド全体のHPを25ずつ低下させる決断をしたんだよね。
でもテストはプレイヤー全体に比べたら小規模だし、今回はプレイヤーの意見を尊重して耐久値を元に戻すことにしたよ。
今後も実験的にアプデが入る可能性については、ご了承いただきたい。」

ここまでの流れをみてみると、運営側はプレイヤー側の主張も聞き入れつつ新鮮さを保てるように努めているように思います。

結果的には、仕様が元に戻ったことで上手いプレイヤーが無双するチャンスが増えたといえます。運要素が削がれ、各々の実力通りの結末が訪れやすくなったかもしれませんね。
筆者自身も、アーマーが固くなってからはより生存しやすく、勝ちやすくなったと実感します。

新環境のキャラ評価 〜躍動するレジェンド、お荷物になったレジェンド〜

レジェンドにもアップデートが入りました。ここからは主にランクでの需要や価値をベースにレジェンドの評価を行なっていきましょう。

ランクにおける各レジェンドの位置付けは?

  • ブラッドハウンド

    何と言っても神に愛されたカンニングマンを最初に取り上げるべき。
    ウルト使用中の6秒スキャンや調査ビーコン使用可能など、各戦闘からマッチ全体の試合運びに至るまで非常に強力なレジェンドに。

    スキャンは敵の展開阻止、角待ち、孤立or生存ムーブの敵の発見に貢献。戦闘前からどのレジェンドを使用しているか正確に把握できるのも強みとなり、ランクでは効率的なアシスト稼ぎにも。
    弱体化されてもおかしくないレベルで、スキャンのインフレが発生中だ。

  • レイス

    今シーズンも安定してランクの重要キャラの権威を維持
    ポータルの距離の短縮、虚空に入るまでの時間増加により判断の良し悪しが加わり、「上手いレイスと下手なレイス」が明確になるように。

    近接戦闘の強さはそのままに、虚空とポータルの能力は、個人の横展開や敵の引きつけ役として攻撃的に利用することも増えた印象。

  • パスファインダー

    ビーコン調査能力をリコン系キャラ全員で共有したことにより、パスだけの特権は失われたように思えるが、味方を高所へ導きつつ自身も変幻自在に高低差と角度をつける能力は健在

    むしろ使用するレジェンドの分散によって、パスを部隊に組み込んだ場合の価値が高まり、ポジション取りの優位が敵にいやらしく突き刺さる。
    ランクにおいて「パスがいればなあ」を痛感する瞬間は少なくないのではないだろうか。

  • ジブラルタル

    ブラハの台頭によって編成から外されることも増えたが、依然として強キャラと呼ぶに相応しい性能
    正面の撃ち合いで圧倒し、広大な平地移動の多いワールドエッジでは部隊の射線管理を担う貴重な存在。

    ジブ自体のピック率が減ったことで、防衛爆撃や撃ち合いで性能が刺さる場面が増えていると感じる。
    ランクの立ち回りに安定感が欠けたとき、ジブをお供に移動中の不安要素を潰してみるのもありだろう。ウルトの回復時間が長くなったため、促進剤は必ず携帯しておきたい。

  • レヴナント

    昨季に引き続き漁夫をメインに非常に厄介な存在であり続けている。トーテムの強さが叫ばれる一方で、過小評価されがちなのがサイレンスボール
    長時間滞留する上に2つ所持できる点で、敵の戦略の核を潰せる力を持っている。

    デストーテムへの対策&警戒意識がランクマッチ全体に浸透しているため、タイミングと場所を見極めないとトーテムでの「帰還待ち」や、敵に利用されるといったデメリットが浮き彫りに。簡単に味方部隊を破滅させてしまうマイナス面も露わになってきたといえる。

  • コースティック

    最終リング最強の能力に加えて、建物周りでは無類の強さを発揮している。改変後のワールドエッジでは、平地移動で狙われるデメリットと、各拠点制圧のメリットが丁度良いバランスになっており、使用するプレイヤーの判断力次第で価値が変動するレジェンドの筆頭であったと感じる。

    キングスキャニオンでは小さな建物での耐久戦を想定し、好んで使用するプレイヤーの増加が予想されるが、コースティック専として今のうちに一言残しておくことにする。
    「コースティックを軸に篭る部隊は非常に弱い。攻めてこそ強いのがガス。」

  • ライフライン

    強化された「ドローンによる自動蘇生」は「擬似金ノックダウンシールド」のようなもので、正対する部隊との1戦闘で生存力に違いを生み出す。

    ブラハ環境によって戦闘範囲が狭く限定されたことで、ダウンした味方をすぐに起こせる「性能差」が希少価値になっていた。
    部隊の距離感が近くなるであろうスプリット2でも、「ライフラ蘇生で勝った!」というシーンを容易に想像できるだろう。

  • オクタン

    現環境でトップレベルのキャリー能力を秘めている。
    パスよりも柔軟に高所確保が可能で、虚空中で戦闘離脱するレイスより継戦&展開できるスキルを持っている。その上、小柄特性無しで撃ち合いも強いのだから素晴らしい。

    マップの理解、そして敵部隊の連携を分断する観察眼とひらめきのあるプレイヤーが使うと、1人で局面を打開できてしまう。反面、視野の狭いプレイヤーは戦犯となりやすいので要注意。

    今シーズン私が好んで使っているレジェンドでもあり、キングスキャニオンの狭い局面では、空中から意外性のある射撃が刺さるのではないだろうか。

  • ミラージュ

    仕様変更後の特性は、エリア全体に大きく影響を与えることはできないものの、目の前の1vs1を制するための補助スキルとしては特筆すべき能力である。

    ミラージュの評価は、使用するプレイヤーの撃ち合いスキルの評価と言っても過言ではない。
    撃ち合いが強いなら、特性を活かして敵を2人は落としてくれそうだ。その力があるなら使うべきだし、無いならやめておこう。至ってシンプルだ。

  • ワットソン

    一時猛威を振るった「パイロン篭り」も、パイロンが時限式となったことでその他のレジェンドを差し置いて使うほどのメリットはない

    結局パイロンを壊すor壊れるのを待っていればOKで、敵に部隊の位置を簡単に特定され、小柄特性を持ちながら撃ち合うデメリットも踏まえると、現環境ではほとんど採用されないのも納得である。

  • ローバ

    ウルトの回転率を上げる変更で、ピック率の向上を狙ったかもしれないが、正直言って他のレジェンド以上にランクで使う価値はない

    リングの移動スキルは他のレジェンドでも補えるし、物資の確保は敵を倒せば十分。
    今後何かしらの強化をすべきレジェンドである。

  • クリプト

    リスクを抑えてビーコン調査とバナー回収、さらに迅速な復活が可能になっており、元々のリブートの威力もキープされている今、有能なクリプトがいると戦闘をかなり有利にできる。

    使用における注意点はいくつかあり、1つはリブートが間違いなく漁夫を引き連れてくることへの警戒意識。次に、味方との絶妙な連携でドローンを扱える技量。そして本人がやや遅れて戦地へ向かった時、状況を把握し確実に敵を始末できるだけの冷静さ
    部隊として機能させるには、連携面の熟成が大前提となる。

  • バンガロール

    クールダウンが高速化し、使い勝手の良くなったウルトだが、爆撃までの時間が長いために、攻撃として用いることは難しいままである。
    ただ、スモークとウルトの両方で射線を意図的に管理できるキャラとして、部隊の移動を助けたり、スナイパーでチクチク攻めてくる敵との距離を詰めるなど利便性の高さは評価できる

    撃ち合いも強いレジェンドのため、戦術的に組み込むと強いのだが、ブラハの環境であることが完全に使用率を下げてしまっている。バランス調整で一気に使用頻度の増える可能性もあり、全てはブラハ次第。残念。ブラハが多すぎる。

  • ランパート

    今季の目玉であるわけだが、開幕当初の目新しさによるお試し期間を終えた後、ランクではほとんど見なくなってしまった

    終盤の強ポジや建物、射線を限定できる位置を常にキープできれば強い
    しかし、ブラハを中心にリコン系レジェンドが終盤の安地を把握している現環境では、不利なポジションから能動的に覆す能力の無い点で不便かつ不要とみなされているのだろう。

    持っている能力は特定条件下で火力を発揮するので、他のレジェンドとの組み合わせが洗練されてくれば、需要が変動する可能性もある。

ランク環境総括

輝くリコン系レジェンド

先述のとおり、ブラッドハウンドの大幅強化と、リコン系キャラのビーコン調査能力が目立ったスプリットでした。

ここまで冷遇されていたブラハが脚光を浴びるのは良いことでもありますが、一方で「敵がブラハを使うから仕方なくブラハで効力を相殺させる」場面も目立ちますし、従来の「展開力、立ち回りが活きるシーン」と「頭脳的なプレイヤー」を殺しているとも言えるのではないでしょうか。

スキャンにより局面の把握能力があまり必要ではなくなると、キングスキャニオンでの戦闘をより一層直線的にし、陳腐化させる恐れも感じさせるスプリット1でした。

ビーコン調査能力によって、ほとんどのパーティが安地の先読みと占拠をするようになり、後からリング内に到達する部隊ほど居場所を失う場面もみられました。
より一層次のリングへ素早く向かう意識が求められ、拠点を制圧しているパーティはトリプルテイクやヘムロックの強さを活かした迎撃が目立ちました。

レヴナント問題をどう見る?

昨季から山積するレヴナント問題ですが、以前よりも苦にはならなくなった印象です。

理由の1つは、マッチ全体でレヴナントを嫌がり警戒する動きが強まったことで、トーテムの設置場所へのカウンターなど、諸々のレヴナント対策の完成度が増しているからです。影の軍団で進み跳ね返された先で、別の部隊にイージーキルをされることも少なくありません。

シーズンを重ねるごとに漁夫を行う意識、漁夫を警戒する意識は強まっており、戦闘を長引かせるレヴナントのウルトは、そうしたカオスな戦闘を引き起こすデメリットも目立つようになりました。

ブラハだけでなく、クリプトやその他のレジェンドも、一長一短のバランスの良いキャラに調整されつつあります
これにより、レヴナントをわざわざ使わなくとも他に枠を割きたいパーティは増えたのではないでしょうか。

武器のバランスは?


武器では、当初エネルギー武器が注目されていたものの、ヘムロックやプラウラーの火力、カービンの使いやすさ、スナイパー武器の脅威など、様々な武器が「最強」と謳われることは、「どの武器が最強になるかはプレイヤー次第である」という意味でもあり、良い方向に向かっているといえます。ディボーションの出現率低下も良い調整でした。

新武器のボルトはR-99の代わりとなる存在として運営が用意したようですが、性能面では(R-99ファンには申し訳ないですが)見事にその役割を果たしているといえます。
腰撃ち精度が低い点も似ていますし、ライトアモの用途がクラフト武器にもなるカービンorスカウトだけとやや少ない点を除けば、バランスよく弾薬が使われるようになっています

スプリット2の展望

スプリット1終了とともに、マップやレジェンドに大きなアップデートが無い場合、ランクにおける環境変化は主に1点に絞られます。

それは「各部隊間の距離、接敵距離が近くなる」という点です。ワールドエッジに比べてマップがやや狭く、序盤から戦闘を強いられるでしょう。
中央を流れる川と渓谷のエリアは遠くの敵まで見渡せるため、マップ全体が漁夫とスナイパーの射線に晒されていることに注意が必要です。

その代わり、小さな建物が点在していることを活かして、拠点を順番に安全確認しながら移動することでリスク管理をしていきましょう。

筆者としては、様々なレジェンドが活躍し始めている現状を好意的に受け止めています。以前はジブ・パス・レイスの構成しか見ない時期もありましたからね。

ブラハの躍進は止まらないのか、新たなレジェンドが調整によって覇権を手にするのか、今後の動向に期待したいですね。
※キングスキャニオン版のランク考察もお楽しみに!

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