疑問

評価分かれるApex Legends シーズン6 【パッチノートから推測する運営の狙い】

8月18日よりApexシーズン6が開幕し、その大幅な変更は早くもプレイヤーの様々な反響を呼んでいます。
ネガティブな反応もSNSで多く確認されていますね。

そこで今回は、公式のサイトにて公開済みのパッチノートとマップや戦闘における変更点を参考に、「運営サイドは何を期待して変更を行ったのか」を、実際にプレイして感じた点を含みつつ推測して、お伝えできたらと思います。

この記事を読んだ後で、

  • シーズン5から山積するゲーム内の課題における、ユーザーと運営の捉え方の相違点と対策
  • ネガティブな部分だけでない新シーズンの変更の意図

を理解し、プレイヤーの皆さんが新シーズンをより楽しくプレイできることを願っています。

プレイヤーを困惑させる戦闘システムの根幹の変更に着目


~大幅な変更がもたらす戦闘スタイルの変化~


昨シーズンと対比して変更を分析することで、運営サイドの意図を理解していきます。よろしければシーズン5の総括からご覧ください。

シーズン5を振り返ったところで、パッチノートを確認しましょう。
細かい変更点は原文を確認していただくことにして、主な変更点は以下の通りです。

  • 出現するアーマーは進化アーマーと金アーマー
  • クラフトシステムの追加
  • 新レジェンド、ランパートの追加
  • 新武器ボルト導入、ディボーションが通常武器、R99がケアパッケージ専用武器へと変更
  • アーマー(体力)の最大値を200とし、合わせて各色のアーマーの耐久値を変更


この変更に伴い何が変わるのかを考察していきましょう。

シーズン5までは、まず戦闘する部隊を確認した後、アーマーの削りあいやポジション取り、能力の使用によって優劣を生み出し、生みだした優位から相手に風穴を開けるように距離を詰めて仕留めるのが一般的であったと思います。

シーズン6では、「一瞬でダウンしてしまう」「撃ち勝てない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この戦闘時間(撃ち合い)の短縮化は、

  • 進化紫アーマーが従来の青アーマーの値(75)であることに代表される最大体力(アーマー)の低下
  • エネルギー武器だけでなくほぼ全ての武器が現状維持or強化されたことによる火力の上昇


によって、引き起こされています。

既にTwitterでも話題になっているディボーションとボルトの火力だけでなく、プラウラーやヘムロックのバーストもより撃ちやすくなり、昨季と比較するとその殺傷能力は更に高まりました。

上記の変更の狙いについて公式の文章を引用すると

「戦略的ポジショニング(位置取り)により恩恵があるように1キルにかかる時間を減らすことが狙いである」

Apex Legends 公式サイトの英文パッチノートより翻訳(意訳)

とのこと。

これは解釈によって大きく見方が異なりますが、私は2つの意味が込められていると考えます。

①マッチ全体を通して「位置取り」が重要になるようにするための調整

今回の新レジェンドが拠点制圧型のランパートであることや、マップ内に可動式ゲートを導入した点を考慮すると、「マッチ全体を通していいポジションを確保し続ける判断や技術が優れた部隊が勝ちやすいシステム」にしたいのだと考えられます。

これはパスファインダーだけでなく、リコン型のクリプトとブラッドハウンドも調査ビーコンを利用可能にした理由とも合致し、安地の先読み合戦とそれに伴う安地中央での戦闘を増やす狙いもありそうです。

これにより、従来のランクで頻繁に目にした「リングの際での漁夫の連続によるカオスを軽減する」(そこで戦ってたら、後で有利ポジションの部隊に簡単に倒されるよという警告)ことにも繋がることが期待できます。

②戦闘直前の優位を作ったプレイヤーに恩恵を与えるための調整

①がマッチ全体に対する調整である一方で、「戦闘直前に良い判断と立ち回りを行なったプレイヤーが勝ちやすいシステム」にしたいという意味も込められていると感じます。

瞬間火力が高まるということは、相手より先に撃ち始めたり、敵の視野外から射撃を開始した側が絶対的な優位を得ることになります。
例えば、ミラージュのウルト発動後の先制攻撃や、ブラッドハウンドのスキャン後に敵が出てくる場所への置きエイムなどが良い例です。

公式が意味する「戦略的ポジショニング」にはそんな意味も含まれているのではないでしょうか。

長距離の逃げスキルはないが、目の前の戦闘開始後の数秒間で優位を生み出すレジェンド(ブラッドハウンド、ミラージュ、コースティック、クリプト)を活かしやすい環境に近づいているともいえます。
もっと分かりやすく言えば「始めた戦闘はその場で即座に終わらせなければいけないし、すぐに終わるように設計されている。」というのがシーズン6の特徴です。

まとめ

シーズン5
互いに戦闘開始と判断してから、読み合いや削りあいを通して決着をつける。戦闘中に退避を選ぶのも比較的可能。
火力とアーマーのバランスから個々人がある程度耐えられるため、遠い場所からカバーに入ることもできる。

シーズン6
戦闘が始まる前の準備段階と開始直後のクオリティの差が勝敗に直結するため、戦闘中の退却判断や巻き返しはやや難しくなった。
一瞬の撃ち合いの決着に対してカバーが求められるため、部隊の距離感は縮まり、1つの戦闘全体の占めるエリアも狭くなると予想される。当然、被弾を抑える賢い戦闘が求められる。

〜変更を運営に決断させたシーズン5の問題点〜

常にプレイヤーは過去の慣れ親しんだスタイルとの比較を行いながらゲームを楽しむと思われますが、運営サイドは飽きさせないための画期的なアイデアとプレイヤーがシーズン5に抱えたストレスへの対策を上手く融合させて、戦略性のあるマッチを提供しようとしています。

プレイヤーがシーズン5に抱えた最大のストレスとは何か?

多くの方が同じ答えであると信じていますが、私はレヴナントを用いた漁夫と、主にG7スカウトによる遠距離射撃であると思います。

私もマスター帯のランクを回す上で、このローリスクハイリターンな漁夫に苦しめられました。
「影の軍団」は弱っている部隊からキルポイントと物資を奪うことを狙っているので、複数部隊の影の軍団が揃うと、レヴナントを起用していない部隊に対して「影の軍団が結託して攻め入る」という構図が生まれます。
そしてそれを監視する遠方のG7スカウトの恐ろしさは、ランクをプレイしたことのある方なら容易に想像できるでしょう。

これこそプレイヤーの抱える大きな不満であり、運営サイドもそれに気づいています。だからこそレヴナント、レイス、クリプトの最強コンボを抑止する修正を行いました。

ただ多くのプレイヤーは「なぜレヴナントそのものにもっと手を加えないのか」と疑問視しており、私自身もレヴナント自身の弱体化が行われると予想していました。

運営サイドの答えは「マッチ全体のプレイヤーの行動を変えることで、レヴナントとG7を弱体化させる」ことであると、現時点で私は結論付けています。


順番に説明します。

・レヴナントの弱体化方法

運営サイドは、「レヴナント自身を弱体化させると、誰も使わなくなるお荷物レジェンドになってしまう」ことを恐れていると思われます。
代わりに「レヴナントを採用した部隊の漁夫」の威力を低下しさえすれば、ストレスの根幹であるノーリスクでの漁夫を抑えられるのです。


漁夫が発生する過程は以下の通りです。

1 銃声を聞いて戦闘場所を特定
2 戦闘場所付近まで移動
3 状況を観察して戦闘している部隊の疲弊具合と、攻め込むタイミングを調節
4 戦闘場所まで移動
5 漁夫を実行

ここで、先述のシーズン6の戦闘スタイルを思い出してください。すでに現環境でプレイされた方はお分かりのように、素早く決着がつくのが最大の特徴です。

つまり、戦闘時間の短縮によって漁夫の過程の2番と4番が間に合わなくなり、可動式ゲートや複数の通路の増設によって過程の3番が見極めにくくなるのではないでしょうか。

「漁夫を仕掛ける暇もなく戦闘が終わる」ことで、第3の部隊が接敵するときには回復が済んでいるという状況が生まれます。
こうしてレヴナントの強みは残しつつ、行き過ぎた使い方ができないように修正を行なったことになります。

・G7スカウトの弱体化方法

スカウトが長くランクの脅威となってきた理由は、その武器の性能の高さだけでなくマップ環境との相性が抜群であったからでもあります。
特にワールズエッジでは、中遠距離での接敵が増えるため、リスクを回避しつつアーマーを削り、詰めるきっかけを作るのに最適でした。

ただし、現環境では接敵距離が縮まり、中距離から遠距離まで火力の高い武器が揃っています。以前のようにG7をゆっくり構えて顔を出すと、恐ろしい火力の武器で溶かされることも多いでしょう。
戦闘もすぐに終わるため「一度アーマーを削る工程」にスカウトを用いることはあまり重要でなくなり、そもそもの使用率を下げることでバランスをとったのではないでしょうか。

私自身もシーズン6では、G7スカウトより、近中距離で一瞬で倒せる武器を2丁持っておきたいと感じています。

ランパートのシールド越しでは引き続き圧倒的な強さを誇るものの、強みを限定することでバランスは取れたと感じています。

〜プレイ環境を向上させるクラフトシステムとマップの変更〜

ワールズエッジでは一部の街に部隊が集中し、あまり人気のないエリアが存在していました。公式の発表にもあるように、マップの南北の端にあるツリー、ドーム、調査キャンプ付近の充実、アクセスの向上によってマップ全体を各部隊が利用するように誘導しています。
また、アーマーの弱体化とクラフトシステムによって、戦闘前の準備に時間をかけるようにも仕向けられています
「しっかり漁って準備を整えてから戦わないと即死する」という感覚が、部隊の異常な偏りや、序盤からの急激な減少を防ぐことになるでしょう。

〜ランパートの是非〜

防護壁を5つまで設置できる点やシールドの耐久性、本人と部隊全体に与えるメリットの大きさは今後修正しなくてはいけない可能性も十分にありますが、

  • 今は新キャラとして注目されており、使用率が高い
  • ランパート対策が浸透していない

という点を考慮すれば、強すぎると完全に否定できるものではないと思います。
まだ、昨季までの感覚で接敵時に射線管理が甘かったり、遮蔽物を利用した被弾防止を心がけずに無理にシールドを壊そうとしているプレイヤーもいることでしょう。

要塞化のメリットの裏で、敵に位置情報は知らせており、背後や別部隊への注意は散漫になりやすく、部隊が固まりすぎる懸念もあります。
グレネードやレジェンドの能力を駆使した攻略法が浸透した後で、改めてこのレジェンドの正当な評価ができると思います。

以上の点から、運営サイドの意図と新たな試みを私はポジティブに捉え、歓迎しています。

武器バランスや、一瞬で目の前の戦闘が終わるスタイルに不満を感じる声も十分に理解できますが、この環境下で新たな戦略を練ってプレイすることも1つの楽しみ方ではないでしょうか。
今後のアップデートにも注目していきましょう!

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